飲みに行くのも二極化?居酒屋「和民」102店を閉鎖!外食,宅食,介護事業とも業績悪化
閉鎖店舗、計画から42店舗増加
居酒屋チェーン大手のワタミは11月11日,利用者の減少に歯止めがかからないとし,来年3月末までに居酒屋「和民」102店を閉鎖することを発表。閉鎖店舗数は,従来の計画に比べ42店舗引上げられ全体店舗の約15%を占めます。
ワタミが発表した今年9月の中間連結決算は、純損益が前年同期の5億円の黒字から41億円の赤字に転落。安さを売りにしてきた和民は、4月の消費税増税後にアベノミクスの追い風で料理を約1割値上げしたものの、利用者の理解を得ることができませんでした。
居酒屋業界、価格競争で負のスパイラルへ
日本フードサービス協会によると、居酒屋の客離れは平成20年8月以降、前年割れが続いており和民は「生ビール100円値下げ」など打ち出しました。これを機にほかの居酒屋チェーンでも均一激安価格店のオープンや、価格を下げるため人件費を削った結果、サービス力が弱くなるなど、居酒屋業界は価格競争の負のスパイラルにはまりました。
東日本大震災以降、客層は食事やお酒をとにかく安く楽しむ層と、高くても付加価値を求める層の二極化がすすみました。コンビニでおつまみを揃え自宅で飲む「宅飲み」や「立ち飲み店」、「ファミレス」などで十分と考える層が増えているようです。
宅配事業や介護事業も売上減
ワタミの発表によると、外食事業の既存店の前年比売上が92.7%に落ち込んだのに加え,宅食事業の新規顧客や介護施設の入居率が伸び悩み売上が想定より大きく下回ったとしています。ワタミの昨年度の事業別売上高は、外食産業が約699億円,宅食事業が約428億円,介護事業が約350億円と外食事業の占める割合は半分以下となりました。
一方,ワタミでは人手不足による労働環境の悪化が問題になり、アルバイトの正社員化など進めるものの、充足感はみられません。宅配事業でもスタッフ増員は、思うように進んでいないようです。
労働訴訟がワタミブランド崩壊へ
今の苦境を打破するためワタミは、メニューや価格の見直しだけでは利用者の心を掴むのは難しい環境。さらにワタミを不振に追い打ちをかけた過労による労働訴訟が社会問題になり,これまでコツコツと作り上げてきたワタミブランドは崩れさりました。
時代の流れに乗って伸びた事業が、時代の流れで衰退していくのはよく見る光景。若者のアルコール離れが増え,コミュニケーションはスマートフォンの時代に居酒屋業界にも大きな変革が必要かもしれません。
[2014.12.2]
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