人口問題と労働②:働き手として存在感を増す外国人。届け出数で100万人突破。トップは中国
外国人の「純流入」4割増
前回、15~64歳の生産年齢人口の減少について書きました。女性の活用に加え、貴重な働き手として存在感を増している「外国人」についても触れておきます。総務省が公表した平成28(2016)年10月時点の人口推計で、外国人の入国者数から出国者数を差し引いた「純流入」は13万6千人に上りました。平成27(2015)年に比べ4割強も増えています。彼らを巡る期待と課題を記します。
100万人突破、トップは中国
厚生労働省によると、事業者から届け出があった外国人労働者数は、平成28(2016)年10月末時点で108万人。初めて100万人の大台を突破し、前年より2割増と急伸しました。
国籍では、中国がトップ、続いて、ベトナム、ネパールなどアジアが大半で、出身地域の幅は広がっています。配偶者や家族と一緒に来日するケースも多く、潜在的な消費の担い手としても期待されます。
企業も政府も外国人労働力確保に積極的
緩やかな景気回復が進むなか、企業側は外国人登用を積極化しており、安倍政権も労働力確保に躍起です。食品スーパーのライフコーポレーション((株)ライフコーポレーション:大阪府大阪市 岩崎高治社長)は今年1月、タイから技能実習生15人を受け入れました。首都圏に展開するサミット(サミット(株):東京都杉並区 竹野浩樹社長)は、平成29(2017)年度の受け入れ人数を前年の4倍超の30人に増やしました。スーパーやコンビニで、アジア人を見ない日はないほどですが、今後も、この傾向は続きそう。日本人の外国人観も変わっていくでしょう。
経営手腕、技術を備えた高度外国人も必要に
求められるのは、単純労働の人材だけではなく、優れた経営手腕や技術を備えた高度外国人材も必要です。そうなると、彼らの生活環境も改善していかなければなりません。永住権を取得できるまでに必要な滞在期間を短縮化したり、医療通訳者が常駐し、周辺病院に派遣もできる病院への補助金の枠を広げたりするなどの対策も大切でしょう。互いによい関係が築けてこそのグローバル化です。
●関連記事:「人口推計、外国人5年ぶりに増加、日本人は減少!どうする?震災復興・東京五輪の建設労働者、介護の人手不足」[2014.4.23配信]
[2017.5.4]
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