「東京都事業引継ぎ支援センター」成約件数100件突破。建設、サービス業の買収相談4割増
東京商工会議所で急増する相談案件とは...
残念ながら、業績好調のためではありません。
経営者の高齢化や後継者難、労働力不足などの問題を受けて、東京商工会議所の「東京都事業引継ぎ支援センター」が平成28(2016)年度に中小企業から受けた「事業承継・譲渡に関する相談」実績が急増しています。新規相談は679社で、平成27(2015)年度比6.7%増。実際に承継・譲渡を終えた成約案件も41件と、同じく28%増えました。
建設、サービス業の買収相談は4割増
同センターによると、相談に訪れた企業のうち、事業を引き継ぎたい企業は18%増の344社でした。人手不足が深刻な物流、建設、サービス業は、買収に向けた相談が4割増えました。とにかく人手が足りない。なんとか人手を確保し事業継続を、ということでしょう。一方、事業を譲りたい企業は、2.6%減の335社。相談した時点で、8割近くが第三者への売却を望みました。事業承継がいよいよ差し迫った課題となり、M&A(合併・買収)やむなしということですね。
仲介、後押し、専門家の紹介
同センターは、経済産業省の委託を受けて東商に置かれた公的機関です。相談や企業同士の仲介を無料で手掛け、費用を抑えた形での事業譲渡を後押しします。"お見合い"のセッティングだけでなく、M&Aに詳しい弁護士や公認会計士ら専門家を紹介し、手続き面でもサポートします。
開設6年、累計成約件数100件突破
平成23(2011)年10月のセンター開設以降、累計成約件数は100件を突破しました。平成28(2016)年度では、事務用品卸・医療機器製造のアスカビーエフ(アスカビーエフ(株):東京都台東区 石川幸篤社長)が、後継者不在を理由に相談し、医療機関向けの印刷物を手掛けるイステムジャパン((株)イステムジャパン:東京都墨田区 石川幸篤社長)に事業を引き継ぐことが決定。今年3月下旬に株式譲渡が完了し、新体制で業容拡大を図ります。相性のよい"結婚"でした。
●関連記事:「中小企業再生支援協議会:リスケで一服!?事業再生相談件数4割減に今、すべきこと」[2011.3.3配信]
[2017.4.26]
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