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三越伊勢丹,「自社企画,製造」SPAでブランド確立,年内販売へ!4年で100店舗出店

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自ら商品を企画、製造、販売
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百貨店最大手の三越伊勢丹ホールディングスが、衣料品や靴、雑貨などの商品を自らの意向で企画、製造、販売まで手がけるSPA(Speciality store retailer of Private label Apparel:製造小売事業)に本格参入することが報じられました。
同社のSPA事業は、売場で得た顧客の詳しい嗜好を新商品の企画に反映させ,より顧客に求められるブランドをつくりあげ、平成31年3月期には、百貨店事業の売上高のうちSPAによる商品の割合を20〜25%に引上げるとしています。国内市場が縮小するなか、メーカーに頼る品揃えからの転換を図ります。

SPA:無駄なコスト削減
SPAは、売場での顧客のニーズを見極めデザインを企画、自らのリスクで生産し販売。工場と売場を最短距離で結び無駄なコストモ削減し、製造や運輸,販売を分業する他のの業態に比べ販売価格を抑えることが可能です。ブランドコンセプトを一環してマネジメントすることにより、いち早く顧客ニーズに対応することもできるメリットがあります。
一方,SPAは、価格の決定権を持つものの、商品管理は全て自社管理。販売や在庫リスクの徹底も求められます。

製造は国内工場へ委託
三越伊勢丹ホールディングスでは、SPAを手がける体制を整え年内にも販売を始める見通し。製造は国内の複数の工場に委託し、同社の意向に基づく高品質の製品を提供する計画。SPAを担当する子会社も来年設立することも検討しています。
三越伊勢丹ホールディングスは、平成31年3月までに、駅ビルやショッピングセンターなどを中心に中小型店舗100店を新規出店する計画。SPAによる商品を主力とする考えで販売価格は,衣料品は1〜2万円、靴は2万円を想定しています。

低価格路線ではユニクロ、H&Mが成功
日本市場でSPA事業をみると、ユニクロを展開するファーストリテイリングや、H&Mを展開するスウェーデェンのヘネリー・アンド・モーネッツが話題性も高く成功した例ともいえます。ただ、いづれも低価格で商品の回転も速いのが特徴。三越伊勢丹ブランド確立のために顧客にどう訴えられるかが注目されます。
「いいもの」から「より安くいいもの」へ変化しつつある消費者ニーズに、三越伊勢丹は独自の個性を生み出すことができるかが成功の鍵となりそうです。


[2015.1.14]

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八木宏之プロフィール
セントラル総研・八木宏之
株式会社セントラル総合研究所 代表取締役社長。連帯保証人制度見直し協議会発起人。NPO法人自殺対策支援センターLIFE LINK賛同者。
昭和34年、東京都生まれ。大学卒業後、銀行系リース会社で全国屈指の債権回収担当者として活躍。平成8年、経営者への財務アドバイスなどの経験を活かし、事業再生専門コンサルティング会社、株式会社セントラル総合研究所を設立。以来14年間、中小企業の「事業再生と敗者復活」を掲げ、9000件近い相談に応えてきた。
事業再生に関わる著書も多く出版。平成22年5月新刊『たかが赤字でくよくよするな!』(大和書房)をはじめ、『7000社を救ったプロの事業再生術』(日本実業出版)、『債務者が主導権を握る事業再生 経営者なら諦めるな』(かんき出版)、平成14年、『借りたカネは返すな!』(アスコム)はシリーズ55万部を記録。その他実用書など数冊を出版している。
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