商工中金の融資先中小1,000社、景況感がバブル崩壊後最高値!増税後の反動、想定範囲か懸念
諸費税増税の駆け込み、公共事業が下支え
商工組合中央金庫は3月25日、取引先の中小企業1,000社を対象にした3月の景況観測調査を発表。景況判断指数は、53.5と前月から2.9ポイント上昇し、バブル崩壊後の最高値を更新しました。4月の消費税率引上げによる駆け込みニーズや公共事業などが下支えとなりました。
景況判断指数は,前月に比べ景況が「好転した」か「悪化した」かを調査。今回の調査で,景況感が好転していることを示す50.0を6ケ月連続で上回りました。景気回復傾向が中小企業へも波及しようとするなか、4月の増税を迎えます。
製造業7ケ月連続、非製造業は2ケ月ぶりに好転
業種別では、製造業が53.6と前月から2.2ポイント上昇し、7ケ月連続50.0を超え、非製造業でも53.5と前月から3.7ポイント上昇し2ケ月ぶりに50.0を上回りました。住宅建設が好調な木材・木製品や鉄鋼,建設、不動産などが経済を牽引。印刷や飲食・宿泊でも9.0ポイント、化学の7.0ポイント、運送の6.0ポイント、小売も5.0ポイント前月から上昇しました。
商工組合中央金庫では、4月の指数は増税後の反動減で落ち込むものの、各社ともある程度の反動減をおり込んでいるとしています。落ち込みが各社の憶測通りとなるか4月以降注視されます。
増税後の先行き景況判断は「悪化」
調査によると増税後の4月の景況判断指数は、製造業で46.8、非製造業で46.4とともに低下を見込んでいます。17年前には,景気が回復していないにもかかわらず消費税が5%に引上げられ急速に景気が冷え込み、消費に大打撃を与えました。アベノミクス景気を背景に安倍政権は、増税後の対策として昨年12月に5兆円の予算を計上することを発表しました。
日本電気工業会によると今年1月の白物家電の国内出荷額は前年同月比34.7%増の1,772億円。1月としては、平成9年以降最高。駆け込みニーズは最高値を示し現実となり、反動がどの程度のものか懸念されます。
民間調査会社16社:増税後は各社「悪化」
来月1日には、経済指標である日銀短観(全国企業短期経済観測調査)が発表されますが、民間調査会社16社の予測では増税後の3ケ月は各社とも景気判断を悪化と予測。大企業の製造業・非製造業で景気判断が6期ぶりに悪化の予測と先行きには慎重の見方です。
日本経済を左右されるとも言われる住宅着工件数は、数字上では景気回復がみられますが、住宅ローン減税やすまい給付金などが消費者に確実に支援策が伝わっているか懸念も残ります。
[2014.3.29]
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