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「復興増税」で加熱する分煙運動/「1箱1,000円」葉タバコ生産者の4割廃作!

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「1箱700円」たばこ増税案発表
110924_1.jpg野田新内閣で厚生労働大臣を務める小宮山洋子氏は、5日の記者会見にて「1箱700円に」と、たばこ増税について言及しました。東日本大震災の復興財源として「増税」が謳われていますが、小宮山氏によるとこれは、税収を上げるためでなく、健康推進を狙った発言であったとのことです。ところが、小宮山氏自身が「禁煙推進議員連盟」の事務局長を務める嫌煙活動家であることや、「復興増税」の指揮を執る野田佳彦首相が愛煙家として知られるという背景をも巻き込み、話題がヒートアップした模様です。

受動喫煙:世界で年間60万人死亡(WHO)/3次補正で分煙強化
昨年9月に厚生労働省が発表したデータによると、受動喫煙が原因で肺がんや心疾患で死亡する成人は、国内で年間約6,800人に上るとのこと。また、WHO(世界保健機関)も、受動喫煙による死亡者数は世界全体で毎年60万人に達するとの推計を発表しています。これは、全死亡の1%に相当する人数であり、健康に及ぼす影響は非常に大きいといえます。特に女性や子どもの被害が大きく、抜本的な改善策が急務の課題とされています。
日本は平成16年に「たばこの規制に関する世界保健機関枠組条約」を批准し、受動喫煙対策を強化。しかし19年調査では、全面禁煙や喫煙室設置による分煙実施事業所は約54%にとどまり、労働者の9割以上が依然として喫煙対策強化を望んでいる状況も明らかとなりました。

受動喫煙防止強化策、労働安全衛生法改正案:平成24年施行目指す!
これらを背景に、厚労省は受動喫煙防止強化策を含む労働安全衛生法改正案を、第3次補正予算案審議に盛り込みました。労働者の健康被害を防ぐため事業所や工場などに全面禁煙か、喫煙室以外での喫煙を認めない空間分煙を義務付ける方針で、平成24年度中の施行を目指すとしています。

葉タバコ4割廃作/福島488戸、岩手457戸、宮崎435戸、鹿児島310戸他が廃作
健康志向の高まりや、平成22年10月に実施されたたばこ税増税により、国内のたばこ市場は縮小傾向にあります。これを受け、日本たばこ産業(JT)は葉タバコ農家の廃作を募集。全国38府県の農家のうち約4割の4,106戸がこれに応じ、平成24年以降の耕作をやめる意向であることが16日までにわかりました。組合別に見ると、廃作戸数が多いのは、福島488戸、岩手457戸、宮崎435戸、鹿児島310戸、四国(徳島・香川・愛媛・高知の4県)の302戸。西日本組合(滋賀・岡山など6府県)に所属する京都府の農家は全19戸が廃作の意向で、来年以降は生産がゼロになる見込みです。
JTは廃作に応じる農家に対して、協力金として10アール当たり28万円を交付するとしていますが、廃作後の休耕地の増加などが警戒されます。地震や台風などの天災、福島第1原発の人災により耕作断念を余儀なくされたケースもあると見られており、国や地方自治体が、葉タバコに変わる作物への転作指導が必要です。

「増税分を転作支援に」更なる値上げ要請:日本禁煙学界「1箱1,000円にすべき」
嫌煙家の立場からすれば、たばこは「700円でもまだ安い」と言いたいところでしょう。今月12日には、医師らで組織する日本禁煙学会が「たばこ1箱1,000円にすべき」と厚労省に要請したことが報じられました。先進国の販売価格などを踏まえ「1,000円が禁煙の目安」とし、増税分は生産者の転作支援などに充当するよう求めています。
愛煙、嫌煙を問わず、安易な増税を批判する意見は上がっているものの、たばこによる健康被害の深刻さは増すばかり。数百円という子どもでも買える価格が、未成年の喫煙を助長するとも考えられます。これらを鑑みると、やはり避けては通れない問題でしょう。

[2011.9.24]

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八木宏之プロフィール
セントラル総研・八木宏之
株式会社セントラル総合研究所 代表取締役社長。連帯保証人制度見直し協議会発起人。NPO法人自殺対策支援センターLIFE LINK賛同者。
昭和34年、東京都生まれ。大学卒業後、銀行系リース会社で全国屈指の債権回収担当者として活躍。平成8年、経営者への財務アドバイスなどの経験を活かし、事業再生専門コンサルティング会社、株式会社セントラル総合研究所を設立。以来14年間、中小企業の「事業再生と敗者復活」を掲げ、9000件近い相談に応えてきた。
事業再生に関わる著書も多く出版。平成22年5月新刊『たかが赤字でくよくよするな!』(大和書房)をはじめ、『7000社を救ったプロの事業再生術』(日本実業出版)、『債務者が主導権を握る事業再生 経営者なら諦めるな』(かんき出版)、平成14年、『借りたカネは返すな!』(アスコム)はシリーズ55万部を記録。その他実用書など数冊を出版している。
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