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東京電力:「10%値上げ」報道で株価も値上がり/電力不足で太陽電池出荷増

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海外市場落ち着き取り戻し東証回復
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今週はじめの経済ニュースには、久方ぶりに「東証、続伸」の文字が躍りました。週明け8月29日の東京株式市場では買いが優勢、日経平均株価225種は続伸と、好調な滑り出し。前週26日に米連邦準備制度理事会(FRB)議長のベン・バーナンキ氏が追加緩和の可能性を示唆したとして、米国株の上昇をはじめ、海外市場の落ち着きを見た投資家により買いが優勢となった模様です。マーケットは連騰に沸いていますが、投資家1万1450円あたりに目線をおいておくと、チャンスがあるように思います。

「電気料値上げ」で東電株も値上がり
8月28日には、東京電力が電気料金10%超もの値上げを検討していることが報じられました。この報道が買い材料となったのか、東京電力や中部電力、関西電力、中国電力、東北電力、九州電力など、電力会社の株は軒並み高値から始まっています。
ただし、今回検討されている値上げは、燃料価格の変動を自動反映する毎月の料金改定とは異なり、経済産業相の認可が必要な「本格改定」です。この本格改訂が実施されることにより採算性改善を期待した買いが流入したと見られますが、現時点では値上げの実施は確実ではありません。電力株の買い手は短期的な利益を狙った投資家と見られており、株価の上昇も限定的なものと考えられています。

電力不足で太陽電池出荷増:4~6月
太陽電池メーカーなどによって組織される一般社団法人太陽光発電協会(東京都港区新橋2−12−17 代表理事:片山幹雄氏)は8月25日、今年4~6月の太陽電池の国内出荷 量が、前年同期比で30.7%増の25万8千キロワットになったと発表しました。国による補助は4月に減額されたものの、東日本大震災後の電力不足懸念が需要を後押し、増加傾向を維持したと見られています。

「値上げか原発か」傲慢姿勢を貫く東京電力
東京電力の値上げは、福島第一原発の稼動停止の影響により、不足する電力供給を補うために稼動している火力発電所の燃料費が経営を圧迫していることが理由とされています。確かに原発は怖い、電気は欲しい。手っ取り早く火力発電に依存するのならばお金がかかるのは仕方ない、と納得しそうになります。
しかし、「原発が動かせないから値上げ」と安易に料金転嫁に走る前に、企業努力をどれだけ行っているかが気になるところ。一般企業より高いとうわさされている役員報酬や豪華な施設など、コストカットできるところは多くあるはずです。この夏何度もポストに入っていた「節電のお願い」にしても、「紙がない」「インクがない」と騒がれているなかで、高級なコート紙でなくても十分だったろうと嫌味の一つも言いたくなります。

いつの間にか原発建設に負担
先述の「本格改訂」を用いると、電力会社は発電施設の建設費用も電気料金に上乗せすることができます。いま私たちを不安に陥れている原発も然り。ご存知の方もいらっしゃるとは思いますが、多くの人々は原発に賛成した覚えもないのに、知らぬうちに電気料金として、何兆円にも上るその建設費用を負担していたことになります。
もし、危険を察知してこまめに安全対策をしていれば、ここまでひどい事故にはならなかったといえます。安全神話の拡大解釈が国力を疲弊させたと解釈できます。安全神話と原発に依存したことにより日本が失ったのは、信頼と国力そのものではないかとも思えてなりません。

[2011.9.1] 

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八木宏之プロフィール
セントラル総研・八木宏之
株式会社セントラル総合研究所 代表取締役社長。連帯保証人制度見直し協議会発起人。NPO法人自殺対策支援センターLIFE LINK賛同者。
昭和34年、東京都生まれ。大学卒業後、銀行系リース会社で全国屈指の債権回収担当者として活躍。平成8年、経営者への財務アドバイスなどの経験を活かし、事業再生専門コンサルティング会社、株式会社セントラル総合研究所を設立。以来14年間、中小企業の「事業再生と敗者復活」を掲げ、9000件近い相談に応えてきた。
事業再生に関わる著書も多く出版。平成22年5月新刊『たかが赤字でくよくよするな!』(大和書房)をはじめ、『7000社を救ったプロの事業再生術』(日本実業出版)、『債務者が主導権を握る事業再生 経営者なら諦めるな』(かんき出版)、平成14年、『借りたカネは返すな!』(アスコム)はシリーズ55万部を記録。その他実用書など数冊を出版している。
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