総務省発表:ボーナス商戦奮わず。7月の消費支出0.5%減で、11カ月連続の減速。
残念ながら、今夏のボーナス商戦は奮いませんでした。停滞感は払拭できず、消費の停滞は少なくとも年内は続きそうです。
総務省が発表した7月の家計調査でも、2人以上の世帯の実質消費支出は前年同月比で0.5%の減少。うるう年の要因を除けば、減速は11カ月連続でした。
涼しい7月、財布のヒモは固いまま
7月初旬、ボーナス商戦が本格化する前は、猛暑が予想されていました。実際、エアコンなど冷暖房用器具の全体の売り上げは前月比で38.8%増え、取り付け工事などを含む設備修繕・維持も25.3%伸びたのです。
これではずみがつくかと期待したところ、7月の東京の平均気温は25.4℃と前年より1℃も低く、固い財布のヒモを緩ませることはできませんでした。
こうした状況を裏付けるのが、総務省の消費者物価指数(CPI)です。7月の生鮮食品を除く総合指数も、前年同月比0.5%の下落。5カ月連続のマイナスで、下落率の大きさでは、日銀が大規模金融緩和に踏み切る直前の平成25(2013)年3月以来です。
世界的なエネルギー価格の下落/日銀
日銀の見解は、世界的なエネルギー価格の下落が主因と説明します。記憶に新しいリオ・オリンピックの治安の悪さは景気の減速、すなわちエネルギー輸出国のブラジルが、世界的なエネルギー価格下落の影響を受けてオリンピックの開催さえ危ぶまれました。
節約志向をうけた日用品の値下げはかなり深刻です。完全失業率が21年2カ月ぶりに3.0%まで下がり、雇用環境は改善しているのに、消費が伸びません。
これは消費者物価のデフレが進んでいるとも解釈出来ますが、生活するのに費用がかからない時代になったのかもしれません。
物価は上がらないのでは?という先入観
三菱自動車など軽自動車の燃費不正問題の影響が原因で、自動車等の購入も14.7%減りました。外国パック旅行費なども低調でしたが、7月に発生したバングラデシュのテロなど海外の治安問題が影を落としたものと見られます。
デフレも解消されない。身の回り品の価格下落が広がると、この先も物価は上がらないという先入観が芽生え、消費を抑える"傾向にあります。
二極化する傾向
総合的な物価指数は上向いています。マンション販売など不動産関連指数を加えると1.7%の上昇です。こと生活に関する「消費者物価指数(CPI)」の下落は、生活がしやすくなった。と見る解釈もできます。マンション需要が落ち込まないのは二極化が進んでいることを現しています。
[2016.09.06]
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